眼瞼手術

二重まぶた

埋没法(プチ整形)でいいですか?

生まれつき二重の方は、開眼時、二重のラインが引き込まれるため二重まぶたができますが、一重の方は、瞼板前脂肪や眼窩脂肪が多いため二重のラインができないのです。わが国では二重の手術イコール埋没法と思っている方が多い程、埋没法がさかんに行なわれておりますが、これは医療機関側の技術的な問題だけではなく、一般 への宣伝の方法に問題があるのではないかと思います。

イラスト:「一重まぶた」と「二重まぶた」との違い

あなたが二重ではない原因はなんですか?

埋没法自体は悪い方法ではなくいろいろと研究されていますが、所詮糸をかけるだけの処置なので限界はあります。にもかかわらずどのような方にも適応可能というような表現をしたり、戻ったらまた手術をすればよいとか、気が変わったら取ればよいとか勧めるクリニックもありますが、体に傷をつけることには変わりはありません。

例えばお腹が痛くて病院に行ったとしましょう。
お腹が痛くなった原因をいろいろ調べた上で、医師が原因を突き止め治療します。二重の施術も同じで二重にならない原因を医師が的確に判断し、適切な処置は行なわなければ希望ラインにすることはできません。いくら広い二重を希望されていても、二重にならない原因である瞼板前脂肪や眼窩脂肪を取り除かなければいけませんし、挙筋機能が悪い場合は挙筋短縮(挙筋前転)をしたり、額の筋肉が緩んでしまっていて二重にならないのであれば「ブローリフト」という緩みを取る手術を併用しなければなりません。 また、まぶたの弛みが多い場合は眉毛下切開で皮膚切除をしたり、眉毛の下垂を防ぐ処置が必要になります。

二重術の方法

当院の二重術の方法

二重術には4つの方法があります。

  1. 埋没法
  2. ミニ切開法
  3. 全切開法
  4. ブローリフト
埋没法

二重のデザインをしたあとに眼輪筋と瞼板腺もしくは眼瞼挙筋を縫合、固定する方法です。

イラスト:埋没法

埋没法はよく「取れてしまう」とか「糸が切れた」という表現がされていますが、これは間違った表現です。糸は切れていることはなくしっかり縫合されています。眼輪筋と瞼板腺もしくは眼瞼挙筋との固定がはずれているだけです。

では、どれくらいの人が戻ってしまうのでしょうか?
過去の統計では2年以内に完全に元に戻ってしまうのは約5%ですが、二重のラインが浅くなったり、幅が狭くなったりといったことも加えるとほぼ100%に近い数字です。希望のラインが維持できないという意味ではお試し感覚のものです。

独自の縫合をしているからほぼ戻らないなどと説明しているクリニックを散見しますが、原因を無視していくら縫合の工夫をしても必ず戻る人がでます。また、二重の幅が狭くなったり,ラインが浅くなったりします。明らかに正しい説明ではありません。

希望の幅・元々のまぶたの状態・年齢などすべて違います。同様な方法でいいわけがないことは常識的にも明らかです。だからといって埋没法を否定しているわけではありません。埋没法のメリット、デメリットを十分理解されてから手術を受けられるのであれば問題はありません。

埋没法は二重のお試し感覚のものですから高額な料金を請求すべきではないと思います。 当院では、埋没法でいいという方には、3万円という低料金で行っています。

日本美容外科学会会誌 第36巻第3号(1999年7月)
「当院における重瞼術について-高橋金男」
美容外科学会会長賞受賞

ミニ切開法(部分切開法)

生まれつきの二重の人と同じような瞼の構造にして二重が消えないようにする手術です。

イラスト:ミニ切開法

よく腫れない切開法というのがありますが、その方法ではいずれ二重のラインは消失してしまいます。クリニックによっては、眼窩脂肪のみ小切開部からとり、その後、埋没法を行っているところもあります。当院が行っているミニ切開法は、眼窩脂肪のみでなく瞼板前脂肪・眼輪筋も取ります。

何故なら元来、二重の人は、瞼板前脂肪・眼輪筋が薄いので自然に二重のラインができますが、そのような構造にしないとラインが浅くなったり、幅が狭くなるからです。さらに、挙筋腱膜を縫縮することで眼裂を広げます。美容外科学会会長賞を頂いた方法です。

他院で行っているミニ切開法あるいは部分切開との違いを理解されたでしょうか。元々二重の人と同じようなまぶたの構造にわずか1センチの傷から行うものです。したがって、他院のミニ切開法とは術後の経過もかなり違います。大きな腫れは1週間から2週間あります。完成までの3ヶ月間は幅が広く感じられたり、不自然に見えたりすることもあります。それは、処置すべき部位をしっかり処置しているからです。もっとも、他院のような腫れが少ない方法を希望される場合は、いずれ二重の幅が狭くなったり、ラインが浅くなったりすることをご理解のうえ簡単なミニ切開法で行います。

全切開法

全切開法も二重を作るところまではまったくミニ切開と同じことをします。ただ人によってはより幅を広くしたいあるいは、まぶたの腫れぼったさもすっきりしたい場合もあります。その場合は、さらに中間結合織という腫れぼったさに関係する脂肪組織をとります。また、挙筋の処置をして眼瞼下垂を改善したりする時もミニ切開の傷からは、十分な視野がとれませんので全切開で行います。たるみがある人に二重を作る場合も全切開です。

全切開法は、二重を作るのみでなく瞼の状態を変える(腫れぼったさを解消する・たるみを取るなど)手術といえます。

ブローリフト  (これも二重手術の方法です)

二重術の方法としては欧米では、第一選択がブローリフトです。日本で二重術の選択肢としてあまり行なわれていないのが不思議です。

広い二重を希望される場合、全切開法では腫れぼったさが、かえって強調されたり眼と眉との間隔が狭くなって不自然になります。幅の広い二重を作るときブローリフトを行い、眉毛を挙上することにより幅の広い自然な二重になります。また眼瞼挙筋のみでなく前頭筋を使って開眼されている方は前額部に深いシワができ、眼が疲れやすいものです。こうした場合もブローリフトの適応となります。要するに、内視鏡的に前頭筋・眼輪筋を引き上げ、さらに眉間・鼻根の眉毛を下げる筋肉の働きを弱めることではっきりした広い二重にする方法です。眉毛下切開でタルミをとる方法もありますが、傷ができたり、皮膚切除のみでは再び眉毛の下垂が起こってきます。

昔は二重だったのに加齢と共に二重の幅が狭くなってきたなどの方もブローリフトが最適の方法です。多くのクリニックではまぶたのたるみを切除する、全切開法で対処していますので、不自然になりがちです。

どうですか?
二重を作るにも種々な方法があることがおわかりいただいたと思います。
それぞれ好みの二重の幅やまぶたの状態が違うのです。 どんな人にも埋没法でいい訳がないことは明らかです。「簡単・腫れない・自然」といういいことばかり並べて埋没法を奨励するクリニックがありますが、そんなマジックはあり得ないと思って下さい。また、左右で 脂肪のつき具合、まぶたのたるみの程度が異なりますから、片方だけデザインを決定し、施術を行なえば左右差が出るのも当然です。デザインは座位、立位で左 右に行なわなければなりません。

術後の腫れについて

どのような方法でも必ず腫れます。埋没法は単なる「処置」ですから腫れの度合いが低いのは当然ですが、固定の縫合を緩くすればするほど腫れの程度は小さくなります。しかし、術後の腫れを少なくするために縫合を緩くしてしまうと戻りは早まります。切開法は原因をしっかり取り除くので腫れの程度は強いです。クリニックによっては切開をしたのに腫れていないことを売りにしている例もありますが、十分処置をしていないから腫れないのです。

永遠に効果のある方法は必ず腫れます。術後に腫れてしまうのは確かに嫌でしょうが、数日間の腫れの差を我慢するだけで埋没法にはない永続的な二重まぶたを手にいれることができます。

目頭切開

目頭切開は上まぶたから目頭の部分にかぶさっているひだ状の皮膚(蒙古ひだ)を取り除く手術です。蒙古ひだは一般的に東洋人に多く、一重まぶたが多いのもこのような理由といわれています。このひだを取り除くことによって、目と目の間隔が狭まり、大きな目になります。当院では内田法、Artz法、Z-形成術などを患者様の希望、蒙古ひだの状態によって使い分けています。

目尻切開

目尻側には目頭側の蒙古ヒダのような覆いかぶさる皮膚がありません。したがって、目尻側を広げるには目尻の表面から結膜側まで切開して広げます。通常はW-形成を行い、効果が減弱するのを防ぎます。同時に下眼瞼開大術を併用して下眼瞼を下げることで縦の幅も大きくすることもあります。結膜の充血や目ヤニがで るので1週間ほどはコンタクトは使用できません。

下眼瞼開大

俗にたれ目形成と言ったり、グラマラスライン形成とも呼ばれています。下眼瞼の中央から目尻側が引き上がっているとつり目にみえ、きつい印象になる場合があります。下眼瞼の中央から目尻側を下げることで目の印象が柔らかくなったり、目尻側の白目が大きくなったりします。下眼瞼の瞼板腺と下眼瞼を下げる筋膜(CPF)とを縫縮します。結膜切開のみで行う場合と下まぶたのまつ毛の生え際を切開して余分な皮膚も切るとる場合とがあります。
結膜切開の場合は当日からメイク可能で抜糸もありません。皮膚切除併用の場合は抜糸が必要になります。1週間ぐらいは結膜充血や目ヤニがでます。

下眼瞼クマ取り

下眼瞼結膜切開で内側・中央・外側の眼窩脂肪を適度に除去したり、移動再配置していわゆる、影クマを改善する手術です。移動再配置はLoeb法に準じた方法で、1989年に発表されています。わが国ではHamra法(結膜切開の場合は裏ハムラ法)と称されていますが、正しくないです。Hamra手術はcomposite rhitidectomyといって中顔面・下顔面・下眼瞼・コメカミ部などをリフトする大がかりな手術を言います。中顔面の引き上げをするのでnazojugal fold(ティアトロフ)の段差を減らすのに眼窩脂肪の除去を最小限にして移動固定するLoeb法を採用したというのですが、その眼窩脂肪の移動をHamra法と紹介したドクターがいたためにわが国ではHamra法と誤って称するするようになったのです 。 下眼瞼クマ取り術の注意事項 この手術は,下瞼のいわゆる影クマを改善する手術です。影クマによって疲れてみえるのを改善する対症療法です。要するに眼窩脂肪の膨らみを減らす手術が脱脂で、眼窩脂肪の膨らみを影の部位に移動するのが再配置です。 したがって、下眼瞼の弛みの程度が強い場合は下眼瞼のアイリフトや外眼角形成などを併用する場合もあります。なお、上眼瞼の窪みがある場合は基本的には下眼瞼のアイリフトが適応で脱脂や眼窩脂肪移動により上眼瞼の窪みがより進行する可能性があります。 結膜切開のため腫れや内出血の程度は軽度ですが、眼窩脂肪移動再配置の場合は内部の靭帯剥離のため1週間ぐらいは腫れがでます。テープ固定をする場合もあります。 術後は3種類の点眼薬を処方します。数日は目ヤニがでたり、結膜の充血が起きます。 結膜切開部位は吸収糸で縫合するので抜糸はありません。

料金と手術時間

価格は全て税別となります。

二重術(左右)

術名 料金(万円) 麻酔方法 手術時間(分)
埋没法 3 局所麻酔 10
ミニ切開法 12 局所麻酔 30
全切開法 24 局所麻酔 45
内視鏡的
ブローリフト
60 局所麻酔

静脈麻酔
60~90

目頭切開(左右)

術名 料金(万円) 麻酔方法 手術時間(分)
目頭切開(左右) 12 局所麻酔 30

目尻切開(左右)

術名 料金(万円) 麻酔方法 手術時間(分)
目尻切開(左右) 18 局所麻酔 45

下眼瞼開大(左右)グラマラスライン形成

術名 料金(万円) 麻酔方法 手術時間(分)
結膜切開 18 局所麻酔 45
下まつ毛下切開 24 局所麻酔 60

下眼瞼クマ取り

術名 料金(万円) 麻酔方法 手術時間(分)
結膜切開による脱脂 12 局所麻酔 30
結膜切開による眼窩脂肪再配置  15 局所麻酔 40

まぶたのたるみ取り(左右)

術名 料金(万円) 麻酔方法 手術時間(分)
下まぶたのたるみ取り(左右)下眼瞼アイリフト 24 局所麻酔 45

詳しくお話させて頂きますので、お気軽にお問い合せください。

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